嶋田 晃士

SHIMADA Kohshi

嶋田 晃士

京都府、向日市出身。伝統的な文化と新しいものが混在する環境で様々なカルチャーに触れながら過ごす。美術大学在学中に「音」を用いた表現に興味を持ち、民族楽器をモチーフにしたサウンド・スカルプチャーを制作する。その後、「音」を主体としながらも電子機器やコンピューターを利用し、複合的にメディアを用いた作品制作を行うようになる。
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  • 今までの作品について

    私は「音」を主体としながら、電子機器やコンピューターを利用し、複合的にメディアを用いた作品を制作してきました。自分とそれを取り巻く文化や社会、生についての考察が主な作品のテーマとなっています。自分と世界との関係を俯瞰するため、しばしば機械化や化学反応といった手法を用います。また「音」について考えたり、創作したりするワークショップを定期的に行なっています。

  • 今回のリサーチテーマ

    和束町に滞在するにあたりインターネットでその土地に関する情報は調べていましたが、テーマに関してはとりあえず滞在し体験してみないことにはわからないので、リサーチの期間中に見つけ出そうと考えていました。但しリサーチの方法として「音」を対象としたフィールド・ワークを行うことは決めていました。『録音する』という行為を通しその土地にアプローチしようと試みました。和束特有の音を見つけ和束という土地の特徴を探そうと考えたからです。

  • コミュニケーションについて

    湯船という場所は和束町の中でもさらに山の奥地にあります。駅やコンビニに10分以内に行くことができ、インターネットに繋がることが当たり前の場所で生活している私には便利とは言えない環境でした。さらにそういった場所でバックボーンも表現手法も違う作家同士が、唐突に共同生活をすることは非日常的な体験でした。知らない者同士が共同生活する上で、コミュニケーションは取らざるを得ないものでした。共同生活を通して各々がどの様な活動を行なっていたのか、何に興味をもち作品制作を行っているのかを知ることができました。  また、地域の人と関わるにつれて、そこで生活する人たちのコミュニティに介入することについて考える機会が多くなっていきました。レジデンスの中で調査を行うという行為が、何気なくその場所に訪れることとは違う印象を私に感じさせました。「アーティストとして調査する」というミッションが、私のコミュニケーションに変化を与えたからだと思います。

  • ハプニング

    私は今回の作品テーマについて、和束町滞在中に感じた違和感や気づきをもとに導き出そうと考えていました。しかし、複数のテーマの候補を抱えてしまい、バラバラな要素をどのように集約するのか、どのように自分の感じた印象を作品化するのか苦戦しました。2週間という短い期間の中で日々が過ぎて行き「最終日までに作品の企画ができないのではないか」という焦りがありました。

  • 今後の展開

    2週間という期間の中で荒削りではありますが作品を企画することができました。企画内容は、地域の人と一緒に水車を作り、共同制作する様子を撮影する映像作品です。

    調査を行っていく中でかつて和束町には水車があったことを知りました。そして現在、湯船森林公園という場所で水車を作り直す動きになっていることも知り、私は昔和束町にあった音を再制作できないかと思い水車作りに参加したいと考えました。しかしそれは森林公園の飾りとしての水車であり、当時の精米をしていた音とは違ったものになります。そこで私はこの水車を地域の人と一緒に作り直すという共同制作を行い、その様子を記録した映像作品を制作しようと考えました。コミュニティへ介入し共同制作を撮影することで、今回の調査期間では整理しきれなかった私の感情や疑問を捉え直したいと考えています。
    和束の「大京都」までしばらく期間が空きます。今回のレジデンスでの体験をもう一度客観的に捉え直し、自分の企画した作品や、滞在を通し感じたことを見つめ直したいと考えています。

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