
SHIBUTA Kaoru
渋田 薫
Kanebo Make-up Institute, Pan Make-up School 卒業
クラシック曲をベースに、複数の音楽や自然音を表現するビジュアルアートに取り組んでいる。
バルセロナ芸術センター、サンタモニカ美術館、ロシア国立現代アートセンターNCCAなど世界各地のアーティストインレジデンスで制作発表、ライブパフォーマンスを行っている
http://instagram.com/shibuta_arts >>
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今までの作品について
音楽を絵画に表現する作品に取り組んできました。少年自衛官、メイクアップアーティスト、花屋、料理人など、様々な仕事の経験を生かして制作方法を考えます。また、座禅によって人や土地が持つ特有の空気・意識を感じ取ります。
2018年からはバルセロナ、ベルリン、ロシア、インドなど世界各地のアーティストインレジデンスで滞在制作発表、ライブパフォーマンスを行ってきました。 。 -
今回のリサーチテーマ
最高のお茶の薫りを表現したい。お茶は以前からとても興味を持っていました。
和束の音楽や自然音、独特の雰囲気を感じ取る。禅との関係も探ってみたかったです。1日に1回、抹茶を点てて飲む。至福の時です。『無茶をするな』の語源は和束で知りました。他のアーティストのリサーチ法を参考にしたり、ディスカッションで自分を変えるというのも目標だったので、とても楽しみにしていました。 前半の中間発表までは、品評会のお茶に関係するもの、観光地、和束でたくさんの眠った曲を調べ、混ぜ合わせてイメージを作りました。感じたことをメモする感覚で描きました。
茶摘み歌+雅楽+自由庵での演奏会+品評会用の茶工場の機械音
中間発表後
他のアーティストの発表、ワークショップ、自分発表への反応を見て、リセットして0からやり直したいという気持ちになりました。 滞在アーティストのクリストフと生活パターンが重なり、影響を受けました。毎晩、ゲストアーティストのYukawaさんのアドバイス、手法を聞くことが出来たので参考にさせていただきました。一度自分の偏った考えを全て解体し、特に気になった天空カフェ、和束音頭について深く掘り下げました。天空カフェ 京都、高台寺の傘亭を参考に作られた茶室 ボヤが原因で今のきれいなカフェに立て直されました。
天空カフェまでの道はたくさんありました。
裏山から歩いてみました。
裏山の茶畑
毎年茶源郷まつりで保育園児が和束音頭を歌っていました。今年で最後になる可能性高い。
園児が歌う和束音頭 スケッチ
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コミュニケーションについて
役場の方々は本当に協力的でした。町を愛し、どうにか町を良くしたいというのが伝わってきました。お茶ついては熱く語る。これにはかなわないと思いました。
滞在は他のアーティスト、ゲストアーティストと一緒にゲストハウスで生活しました。距離が近かったのですが、ほとんどの方が経験豊富だったので、それぞれが尊重し合い、あまり気を使うことはありませんでした。
この環境で良かったのは、食事の時に情報交換、他のアーティストのリサーチに立ち会って情報量が増えた事です。
また、別のフィールドのアーティストの手法を間近で知ることが出来、貴重な体験になりました。リバ・クリストフのドローイング
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ハプニング
いきなりハプニングが起こりました。持ち込んだ米の袋に穴が空いてました。滞在場所に広がり、リュックにも1合くらい。米というのはどこにでも入れるのでポケットやペンケースにも、あり得ない場所で米粒を見つけたら僕かもしれません。
昔の和束の歌を絵に書き起こしていた時の事です。何かが腕をよじ登って来ました。虫や蟻は良くある事。ヘッドホンをして意識が曲に集中していたので、気にしませんでした。
とても長い物体の感触でゾクゾクしたので、確認したら、ムカデでした。ムカデは体にフィットしてなかなか振り切れない事を知りました。
事故
和束の道は先が見えない。起伏が激しく急斜面が多い、苔にもいい環境なので道がすべる。
いつもの運転では危険だと思いました。しかし歩くと大地を感じ、視界の変化が楽しい。電話をバスに忘れる
和束の山道を歩きまわりました。疲れ果ててバスで湯船に戻りましたが、電話を車内に忘れました。バス会社に問い合わせたら無事見つけていただけました。しかも最寄りのバス停まで運んでいただけました。営業所まで取り行く覚悟でしたが、本当に親切な対応でした。
和束の独特の自然環境が人に影響していると気づきました。 -
今後の展開
成果報告ではかなり喜んでくださる方が多かったですが、それを振り切るような作品をやりたいです。これまでは音楽を絵画に翻訳するという作業でした。
一番やってみたいことは、
作品プラン『Cadmium』
場所 湯船のガソリンスタンド
すでにクリストフ氏が描いて消したことで注目される場所です。
植物はそのままに、人工物のみ色彩交換する。
壁にはグラフィティ、緑に喧嘩を売るような色彩の人工物。人の行為と自然現象の境界を探る。水は本当にきれいなのか。見えない情報を明確に。人工物とグラフィティによって湯船が叫ぶような感じ。カドミウムレッド, コバルトブルー、毒で出来た色彩は鮮やかで異彩を放ちます。
ミネラルが豊富、でも農薬が流れているという噂 昔は湯船が茶の本場、温度差のある環境が茶栽培に最高だが、現代の出荷に間に合わない。真の茶づくりを止めた。
アート制作の結果、地域にもたらせるもの
刺激、湯船復興のシンボルに
茶畑、森林の景観が良く、車やMTBの通りが多いのでアートスポットに最適です。湯船の空き家活用、再生の始まり
完成後、隣りの廃虚のごちゃごちゃを見てどう向き合うのか。
隣りの元菓子屋を復活させる案が出やすくなる→カフェ、コンビニ、土産屋、ゲストハウス
持ち主さんの説得
プレゼン。湯船区長と持ち主さん、近所の方、民報。成果報告とこれまでの作品資料、今回の作品をやりたいという熱意を述べる。 町に刺激。ガソリンスタンドがとても音楽的イメージに変わります。心身を調整する。
制作
スプレー塗装して元の位置へ戻します。 まわりをマスキングして塗装
ハプニング
壁画にライブパフォーマンスのような形でグラフィティ。座禅、自然に合わせた状態から爆発する感じ。 -
成果発表から
その時考えられる長期滞在制作のための制作案も発表致しました。
この提案で実施する場合、来年までに発展させる考えです。
『ドラえもんでいいじゃん』2020
『モーツァルトだっていいじゃん』 20xx
園児の気持ちを歌う。和束音頭をベースに、なんかつまらないぜって感じのロック曲を描く。
提案したプランのデザインが変わる。
和束町で歴史や歩いてリサーチした中で、特に天空カフェ、保育園を取り上げさせていただきました。
いま 過去 未来 を きっかけ で繋ぐ。
事故や災害がきっかけで環境が変わる。きっかけで記憶を呼び起こす。
アーティストが京都Re-Search=きっかけ
現在 保育園
2020年(保育園の歌が和束音頭→天空の言の葉)
過去 小学校
水害後の小学校の校長によるアルバム
未来
天空カフェ
20xx年
園児が今の農家さんぐらいになる年=園児の平均年齢+農家さんの平均年齢
保育園・天井画『空』
空気 部屋の天井画 週末のみ作業
園児はだんだんと書き加えられるのを見届けます。
和束音頭。来年歌われなくなる可能性が高いそうです。園児には意味を理解するのは難しい。
歌詞がピアノ、子どもの高い音のおかげで明るいイメージ
親しみやすい
無くなるのは進歩か。どんな形で残すのか。
曲を絵画に翻訳 音、雰囲気から天井画へ
曲は心に記録
寝そべって歌ったものを撮影。天空カフェ八角穴に当てる。和束音頭&天空の言の葉
天空カフェ『Bonfire 20xx』
山頂までの道のおもしろさ
焚き火をして振り返る気分
人生=和束の道
天空カフェまでの道はいくつかある。裏山からリサーチ。獣道。曲がりくねった道、ぼこぼこ、先が見えない。道に迷う。汗かいて乾いてたどり着いたら別の山だった。また降りて目標を目指す。階段昇ってまた降りる。
天空=未来、時空間、記憶庫
大人になって立ち寄る、過去を振り返る場所
ボヤから全てを新しく建て替え- 生まれ変わる、自身の更新
壁面を雲肌麻紙
床まで白
天空カフェを更に想像で天空を感じる。
日記の和束音頭のイメージ
2020 滞在制作計画
2019 茶源郷まつり
練習風景の短編ドキュメンタリー、撮影、音を取る
和束保育園による和束音頭の合唱
(最後になる可能性が高い)
展示後、タイムカプセルに映像作品を入れて埋める=穴、天空
20xx年インタビュー 園児から係を決める。
園児はおばさんになりました。天空カフェインスタレーションの中で歌って完成。
地域と繋がる
週末のお休み中、又は夜間の作業
園児は制作を感じながら過ごす。
園児が主役→小学校→天空カフェ