TAKEDA Moka

武田 萌花

東京都墨田区出身
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科在籍

  • 今までの作品について

    インスタレーション作品と舞台表現のあいだ、あるいはそれらを融合した空間での表現を模索して作品制作をしている。

  • 今回のリサーチテーマ

    「小盆地宇宙」

    この言葉を亀岡市役所で目にした時、市内をリサーチしながらどこかぼやけていたピントがぴたっと合うような感覚になりました。「小盆地宇宙」とは文化人類学者の米山俊直さんが著書の『小盆地宇宙と日本文化』の中で語った造語です。「小盆地宇宙」=盆地底にひと、もの、情報の集散する拠点としての城や城下町、市場を持ち、その周囲に平坦な農村地帯をもち、その外部の丘陵地帯には棚田に加えて畑地や樹園地をもち、その背後に山林と分水嶺につながる山地をもった世界のこと。相対的にひとつの閉鎖的空間を作っていて、そのため独自の歴史を持ち、独自の文化伝統を持ちやすい。
    この「小盆地宇宙」をキーワードに、外部から来たアーティストである自分がこの街にどんな変化を起こすことが出来るのか、2週間の滞在で向き合いました。
    このレジデンスに応募した時、自身の制作テーマに即し亀岡の街を流れる「物語」のようなものを汲み取って作品を展開していくことになるだろうと考えていました。実際、京都駅から亀岡に向かう電車の中で、車窓の風景を見ながらアイデアがいくつも浮かび制作へのモチベーションがぐんと上がったことを覚えています。

    中間報告会にて

    滞在からちょうど1週間が経った中間報告会ではこれまでのリサーチの中で特に気になっていた「亀岡盆地」などでの「倒木」をベースにした作品のプランを発表しました。そしてその上で、今回のレジデンスで私がするべきことは本当に1つ作品プランをつくることなんだろうか?という疑問を感じていたので、2020年に控えた亀岡での展覧会「大京都」では「小盆地宇宙」という地形の魅力と重なるように、出展アーティストの作品を点在させ、且つそれらが循環するような導線が必要なのではないか、という話をしました。アーティストとしてレジデンスに参加している中、自分の作品のプランよりもその大きな枠組みについて考えてしまうことに対してあまりポジティブになれなかったのですが、目のお二人やゲスト講師の島袋さんに背中を押してもらい、思い切る決心がつきました。

    倒木(倒松)

    亀岡の山の木々は、主に建材として使われる良質な松なのですが、近年あまり使われなくなったため、多くの木が松食虫に侵食され倒れています。倒れた木は、建材として使うことが出来ないためそのまま放置林になっていきます。千歳町の地域広報誌『市民の声』を読んでいると、そんな地域の事情を知ることができました。昨年の台風の影響もあり、嵯峨野トロッコ列車や保津川下りなどから見える景色にも、大規模な倒木が目立っていました。そこで、使いみちのないそれら倒木を使って巨大なランドスケープのような作品を作るというプランを考えました。

    活動報告展にて

    中間発表を終えて今回のレジデンスでの自分の在り方について答えが出たので、滞在後半は他の参加アーティストのリサーチに同行したり、相談に乗るなどのサポート活動を積極的に行いました。報告展では各々作品プランを発表しますが、私はそれら個別のプランをひとつの展覧会として発展させていきたいと思ってもらえるかが肝だと感じていたので、大きな枠組みについてのプレゼンを中心にし、自身の作品プランは出さないつもりでした。しかし、私も1アーティストとして報告展をつくりたいと考え、詩を用いた立体作品をKIRI CAFE入り口に展示しました。ささやかな企みだったのですが、来てくれた方が足を止めて「ここから何か始まるんだ」とドキッとするような導線を作れていたかもしれません。

  • 今後の展開

    2020年に行われる「大京都」に、具体的にどういった形で携われるのかまだはっきりとわかりませんが、開催まで1年かけて亀岡の街や人、レジデンス参加アーティスト、またそれぞれの作品との距離を意識し、それぞれの関係性をより強いものにしていきたいと思っています。亀岡市での「大京都」は少しだけ異例な形での開催になるのではないかと予想しています。私はこの2週間の滞在で、外部から来たアーティストがこの街に作品を産み落とすこと/残すことはどういうことなのか、作品やアーティストがこのレジデンスで何を変えていけるのかを特に考えさせられました。同時に、亀岡の地でそれぞれの作品が強く響いてゆくような導線や展覧会としての魅せ方を考え抜くこと、それはこの場で私がアーティストとして作品をひとつ残すことと等しく、あるいはそれよりも極めて重要なことだと感じています。自分自身もこれまで経験したことのない展示/作品との関わりで不安もありますが、2週間共に過ごした参加アーティストたちと熱量を持って取り組んでいくことで、この亀岡で何かが変わるきっかけを作れると信じています。

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アーティスト

  • 安藤 隆一郎

    ANDO Ryuichiro

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  • 小野 峰靖

    ONO Takayasu

    小野 峰靖

  • 上岡 安里

    KAMIOKA Asato

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  • 上川 桂南恵

    KAMIKAWA Kanae

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  • 倉科 明尚

    KURASHINA Akinao

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  • 武田 萌花

    TAKEDA Moka

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  • 中谷 優希

    NAKAYA Yuuki

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  • 原田 眞次郎

    HARADA Shinjiro

    原田 眞次郎

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