KAMIOKA Asato
太平洋側で育つ。 現在、日本海側に在住。 (海は東、山は西にあると無意識のうちに身体に擦り込まれていたことに気づく)
「視覚では捉えられないものを捉えることが出来たときは、よろこびかどうか」を作品/制作のテーマとしている。主に石や土を素材とし立体作品を作ってきた。
亀岡のアーティスト・イン・レジデンスに応募した動機は、上記で述べた「石を焼くこと」を、その石がある土地に住んでいる人に参加または認識してもらいながら、実行していきたいという構想があったからである。したがって、この構想を実行できるという確信をつかむことが今回のリサーチのテーマであった。リサーチでわかったことは、この土地に人がいるということが事実であることだ。見知らぬ土地に行くと、たくさんの景色や人や現象などが次々と目に入ってくる。さらに、その土地を知りたいと思うので、多くの情報を仕入れる。けれども、実際に視覚で視えているものと仕入れた情報にはあやふやな差がうまれる。リサーチを進めるにつれて私は何が事実かを探し始めていった。そしてわかったことが「この土地には人がいるということ」であった。この実感はごく当たり前のことのように思われるかもしれないが、土地を観察してまわったからこそ得ることができたものである。
今回のリサーチで「この土地には人がいるということ」や、リサーチを行う際、なぜか私は川や池という「水があるところを目指し歩いていたこと」、その歩いていた時に「太陽の存在や役割」に気付かされた。それらは、「石を焼く」作品の構想を強化していく内容であった。実際に作品を制作、設置する際それらを重視しながら、方法、場所、手段などを絞り深めて行きたい。(具体的には、保津川にある大きな石を見つけること。その石に行くまでの最適な道程を作ること。石を焼く装置の開発など。)また、実現に向けて地域住民の方や関係者の方に作品の説明をしっかりと行う必要があると考えている。