フィールドパッチ

京田辺の

筍や茄子、海老芋など京田辺の農業は彩り豊かだ。飯岡地区の茶畑も規模は大きくないものの品質の高い製品を生み出している。休耕地や後継者不足対策などにも積極的な取組みを始めている

京田辺は昔から農業が盛んな地域で、一大消費地である大阪や京都を支えてきた。今も田園都市を標榜し、市街地に隣接して田畑が広がる緑豊かな場所だ。もともとシステムエンジニアだったという経歴を持つ農業委員の堀江さんに話を聞いた。市内の農業全般に関する情報、地域の催事・歴史を紹介する『きょうたなべのうぎょう委員会だより』の発行に関わり、京田辺市の農業のこれからを考えている一人だ。

話を聞いた人:堀江 幸和さん(京田辺市農業委員会委員)



玉露の京田辺


 「お茶畑も以前とはだいぶ少なくなりました」と堀江さん。もともと茶園の面積は静岡、福岡等と比べものにならないもので一農家当たりの面積も広くはなかった。しかし、各茶農家の生産・製茶技術は高く、全国茶品評会、関西茶品評会で数々の農林水産大臣賞を受賞してきた。ただし「京田辺茶」のブランドではなく、「宇治茶」として全国に知られている。「ご多分に漏れず高齢化、後継者不足で農家数も30軒あまりとなっていますが、一方で少しずつ、若い後継者も育っています」とのこと。

京田辺農業の特徴


古くから京都など都市部に米や作物を供給してきた南山城地域。京田辺にはお茶以外の特産品も多く、その代表的なものが「田辺なす」だ。京都だけでなく東京にも流通している。京都やましろ農業協同組合でも20年前から「なす部会」が設置されている。他にも、海老芋、たけのこの産地としても名が知られている。海老芋は主に草内、普賢寺地域で、たけのこは大住地域で多く生産されている。たけのこが獲れる山は竹畑と呼ばれ(竹藪とは言ってはいけない)、ほうきで掃いたように綺麗に整備されている。近年では、京都市のお土産用のお漬物用としてきゅうりの生産にも力を入れている。京田辺のきゅうりは、京都産の野菜として売れるため、他より市場では高い評価を得ています。堀江さんは、「市はこれまで積極的に品種を統一する方向でなく、柔軟に市場の傾向を見る政策を行っていました。そのため京田辺市の農業は決まった品種に集約されることがなく、品目を優先する傾向が強いんだと思います。兼業農家の割合も高く、小規模多品目なのが特徴かもしれませんし、もしかしたらそれが今の時代にあってきているのかもしれない。近年は定年しマイペースに楽しみながら農業をする人も増えてきています」と説明する。

荒廃地の活用


担い手不足によって一部地域では荒廃地が増加しており、そういうところにレモンの木を植える取り組みを堀江さんたちの農業委員会は始めている。もと茶園だった場所には柑橘類の実証圃場として果樹を植えています。堀江さんいわく「こうした取り組みで重要なのは6次産業化すること。作物に付加価値をつけて農家にとってメリットがあることを説明できないと、誰もレモンを植えてくれません」。そのため、売れるものになるという見本をみせるため、同志社女子大学の学生とともにレモンを使った商品レシピの開発も行った。もう一つ、荒廃地対策として推し進めているのが、天王地域で昔から作られてきた天王柿と呼ばれる品種の渋柿の栽培だ。これを木津川市にある渋の加工工場へ販売する。「渋柿なので動物が食べることもなく手間がかからないのがいいですね」とのこと。
また、普賢寺以南の山間部では政策上宅地化しにくく、景観面でも開発が抑制されていることもあり、高齢化や人口減少が顕著になってきた。そうした地域では、児童を連れて近隣の山を回る雲上遠足、地元の竹を使った竹細工などの昔の遊びを教えるといった地域独自の活動に加え、田植や、稲刈り、餅つき体験などの食育も、小学校を拠点として進められている。

京田辺を構成する6つのフィールドから見る

フィールドの縫い目から見る