牧嶋 平

MAKISHIMA Osamu

牧嶋 平

1986年埼玉県生まれ。京都市立芸術大学大学院構想設計領域在籍。旅先や日常でのささやかな気づきを手掛かりにインスタレーションを制作。今回は京都府和束町と父方の実家のある長野県下條村との印象の重なりをもとに作品を制作する。

  • 草玉を燃す

    人は「草刈り」をして生きている。町に住み、そこで働き、土や草に触れなくても、その生活全体は「草刈り」である。 目の前の日常を黙々と、戸惑い喜びながら、草刈りのように続けていく。 それが生活の条件であり、かけがえのなくも、不毛なことである。長野県に叔父が残した家がある。父を中心に家族は、20年以上、その空き家の管理を続けてきた。 季節ごとに帰省し、墓や庭の草を刈り、そして燃やす。その繰り返しも、叔父の死に対する戸惑いも、気づけばひとつの景色となった。私もまた「草刈り」をしている。町に住み、そこで働き、何かを作ろうとして作れない生活もまた「草刈り」である。 それは戸惑いであり、不毛であり、かけがえのないことである。刈っても刈っても生活は続く。 恨めしさも、愛おしさも終わらない。その繰り返しを玉にして、自ら、まるごと燃やす。