
WASHIO Ray
鷲尾 怜
1995年 東京都生まれ。制作の極私的あるいは社会的実践について考える。主な展覧会に「クロスポイント」(W+K+ Gallery・2017)「セコンドハンド」(アキバタマビ21・2018)「ぼくらとみんなは生きている5~持続可能な愛のステージ~」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA・2019)「ぼくらとみんなは生きている10~豚の旅ともいいきれない~」(四谷未確認スタジオ・2020)
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元々ボーリング場の跡地であったこの場所に、車やソファー、奇妙なオブジェが置かれており、車からは音がしています。この作品は「正体不明の何者かが、この不思議な場所を占拠して、何か不思議なことをしている」その気配や痕跡そのものを表現しています。先ほどにも触れましたがこの場所は元々ボーリング場でした。昔を知る人にとってそれは当たり前の景色ですが、何も事情を知らない人にとっては古墳のような謎めいた空間に見えてきます。この鷲尾が作り出した「何者かの痕跡」も、実は誰かにとって「重要かつ、当たり前の何か」なのかもしれません。しかし同時に他者としての私達にとっては、あくまで不審者の怪しい行動に感じることでしょう。未知と出会い、そして「それ」が何であるのか理解できないにせよ、それと出会いへの想像力を膨らます面白さをこの作品は表現しています。だだっ広い空間の所々に、元々そこに放置されていたかのような不思議なオブジェが配置されています。是非ともこの場所で「あったかもしれない出来事」を想像したり、「ありえた過去の時間」に思いを馳せてみてください。
協力 株式会社マルハン プラザ峰山店 / 大善株式会社 / 株式会社明輝建設 / 川又 健士