
エヌ・ティー・エス・ケー・アイ
NTsKi
京都府育ち。どこか不気味さの漂うボーカルと多様な音楽性が混在するトラックを制作しシームレスに活動。セルフ・プロデュース作以外では、〈TAR〉から食品まつり a.k.afoodman、〈Orange Milk〉からCVN、〈EMRecords〉から7FOとのコラボ楽曲をリリース。田我流のアルバム『Ride On Time』への参加、落合陽一氏が統括ディレクターを務めたSXSW2019に出展された経済産業省主催日本館への楽曲提供などがある。ntski.com
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アパレルショップにしがき
「にしがき」2階にようこそ!
にしがきとは丹後・舞鶴・豊岡但馬エリアの地域に24の店舗を展開するスーパーマーケットです。京丹後に本社を置き、特にこの丹後エリアとの関わりが深く、地域のライフラインとして親しまれています。また、この「にしがき網野店2階」は2019年3月ま で衣料品販売を行っていました。
今回この場所では地域クリエイターとしてDAISAK(ダイサク)が発起人となり、NTsKi(エヌ・ティー・エス・ケー・アイ)、川勝小遥 (カワカツコハル)の作品展示を行っています。3人とも全国区で活躍する若手アーティストですが、彼女/彼等だけに留まらず、このような多様なアーティスト達がこの地域を拠点に活動をしていること自体が京丹後の文化的な豊かさを体現しています。
今回、他の地域から来ているアーティスト達がそれぞれの題材/展示場所を選ぶ中、この3名は「にしがき」を展示会場として選びました。京丹後には色々な文化的資源がありますが、日常生活と一番密着した場所でアート作品を発表することは、その土地に由来のあるアーティスト達だからこそ持つことのできる着眼点です。今回3名は、今は閉場している「にしがき網野店 衣料品売り場」を期間限定で復活させることをテーマに展示を行なっています。DAISAKはオリジナルの「にしがきグッズ」をデザインし、NTsKiはテーマソングの作曲や広告写真の制作、そして川勝は会場構成を行なっています。3名は閉場してしまった売り場を会場としながらも、懐かしさやノスタルジーに囚われるのではなく、網野町と京丹後市の文化/風景を再発見し、新しい視点で日常を捉え直すことを試みています。
協力 Aki Nakata / プラザホテル吉翠苑 / Yosuke Shimonaka / 網野高校生(小石原央義/岡本尚也/西垣蓮/田辺潤平/松坂将吾/高田有花子) / 山中篤嗣 / 田茂井康悦ミュージシャンでもあるNTsKiは楽曲作品と写真作品を制作しました。楽曲作品は「にしがき」のテーマソングを制作した他、 にしがき店舗内の音や八丁浜(網野の海岸)の波の音をフィールドレコーディングし、店舗用環境音として演奏再生しています。 また写真作品は、DAISAKが制作した「にしがき」のグッズを用いたファッション写真を企画構成しており、これも店舗内各所にディスプレイされています。NTsKiは京丹後の網野を拠点にしていますが、全国区のクラブミュージック・シーンで活躍するミュージシャンであり、実験的かつミステリアスな作風で注目を集めています。NTsKiが制作した「にしがき」のテーマソングは商業店舗らしいポップな楽曲ですが、リバーブの効いた楽しげな歌声はどこか懐かしさを感じさせ、NTsKiの記憶にある子供の頃の「にしがき」や街の風景をノスタルジックに想起させます。フィールドレコーディング楽曲では、本来は同時に聞こえることのない「にしがき店舗内の音」と「八丁浜の波の音」をシンプルにミックスし、網野の風土が奏でる音そのものをメディテーション・ミュージックとして見立てています。また「にしがき」店舗内で撮影された写真作品は中性的なモデル像が撮影されており、未来的でありながらレトロな雰囲気が演出され、固定観念や時代感覚が揺らぐミステリアスな内容となっています。音楽におけるサンプリング(音楽の断片だけを切り出す)の手法によって「にしがき」の要素を切り出し、網野の風景を異世 界へとミクシング(編集)します。普段見ている景色でさえ感じたかた・考えかた次第で全く異なる世界になるということ。ミュージシャンでもある NTsKiだからこその表現方法によって「ここではないここ」に私達を誘います。