川勝 小遥

KAWAKATSU Koharu

川勝 小遥

1990年京都府生まれ。京都市出身。東京造形大学サステナブルプロジェクト専攻卒業。東京に拠点を構えながら、京都府宮津市、cluster、ホテルにて、アーティストのレストハウスや社交場を作り、参加者が自身の価値を見出し、その人らしい生き方をするキッカケ作りに取り組む。また、そこに関わったアーティストの活動をライターとして発信する傍ら、インスタレーション、コラージュ作家として国内外で様々な展示に参画する。

  • アパレルショップにしがき

    「にしがき」2階にようこそ!
    にしがきとは丹後・舞鶴・豊岡但馬エリアの地域に24の店舗を展開するスーパーマーケットです。京丹後に本社を置き、特にこの丹後エリアとの関わりが深く、地域のライフラインとして親しまれています。また、この「にしがき網野店2階」は2019年3月ま で衣料品販売を行っていました。
    今回この場所では地域クリエイターとしてDAISAK(ダイサク)が発起人となり、NTsKi(エヌ・ティー・エス・ケー・アイ)、川勝小遥 (カワカツコハル)の作品展示を行っています。3人とも全国区で活躍する若手アーティストですが、彼女/彼等だけに留まらず、このような多様なアーティスト達がこの地域を拠点に活動をしていること自体が京丹後の文化的な豊かさを体現しています。
    今回、他の地域から来ているアーティスト達がそれぞれの題材/展示場所を選ぶ中、この3名は「にしがき」を展示会場として選びました。京丹後には色々な文化的資源がありますが、日常生活と一番密着した場所でアート作品を発表することは、その土地に由来のあるアーティスト達だからこそ持つことのできる着眼点です。今回3名は、今は閉場している「にしがき網野店 衣料品売り場」を期間限定で復活させることをテーマに展示を行なっています。DAISAKはオリジナルの「にしがきグッズ」をデザインし、NTsKiはテーマソングの作曲や広告写真の制作、そして川勝は会場構成を行なっています。3名は閉場してしまった売り場を会場としながらも、懐かしさやノスタルジーに囚われるのではなく、網野町と京丹後市の文化/風景を再発見し、新しい視点で日常を捉え直すことを試みています。

    協力 Aki Nakata / プラザホテル吉翠苑 / Yosuke Shimonaka / 網野高校生(小石原央義/岡本尚也/西垣蓮/田辺潤平/松坂将吾/高田有花子) / 山中篤嗣 / 田茂井康悦

    宮津にアーティストのレストハウス(万年倉庫)を構えながら、アーティストや学芸員として活動する川勝は「にしがき」の空間設計 を行なっています。壁に配置された銀のシートや多様な色味の照明、そして元々この場所で使われていたレトロな什器やポスターなど、2名の作家達と協力して空間を設計しています。どこかレトロフューチャー(過去の視点から見た未来)を感じさせつつ、同時にNTsKiの作品の八丁浜の波の音が重なり、水のイメージを感じさせます。川勝は普段からアーティストが作品を発表する機会を自身もアーティストしての目線からかプロデュースをする仕事をしており、特に今回のような非常に特別なシチュエーションでの美術展を得意としていま す。アートというと作品を「モノ(絵や彫刻など、単体の創作物)」として考えがちですが、実際にはインスタレーションと呼ばれる空間演出が作品鑑賞に非常に大きな影響を与えるのです。特に川勝は網野の地が海の豊かな環境に支えられているということ、そして過去に浅茂川湖を埋め立てて作られた場所であるということなどに注目し、水のイメージによる演出に強くこだわり を持ちました。そのような彼女の世界観の提案に呼応し、DAISAKやNTsKiの作品が効果的に配置されています。川勝は「作品を 作る」という直接的な表現だけではなく、空間設計によって他の作家たちの作品を演出しながら、展示全体を通して網野町の風 景や文化をめぐる眼差しの変容を試みています。

« 1 2 »