SIDE CORE

Pascal Humbert

パスカル アンベール

1959年 パリ生まれ。
フランスと米国で多くの音楽プロジェクトに参加。米国には22年間在住。長編映画の音楽と舞台音楽も作曲。

トゥリー ロリタ

Tree Laurita

トゥリー ロリタ

1966年 米国カリフォルニア州カノガパーク生れ。
デンバーに在住し、抽象絵画作品を展示。2011年にフランスに移住し、ビデオ作品も創作。

  • EMMÊLEMENT –もつれ–

    工場の一角を利用した空間に写真や映像が配置され、または微かに音楽が聞こえてきます。写真や映像には京丹後でパスカルが撮影した断片的な風景が写されていますが、それはだれかの記憶を覗き見ているような不思議な懐かしさを感じさせます。映像はパスカルが撮影した素材をフランスにいるトゥリーが編集したものです。音楽はトゥリーが完成させた映像を元に、さらにパスカルが作曲を施しました。パスカルとトゥリーは夫婦のアーティストで、2人は現在フランスに暮らしており、フランス・オクシタニ州と京都府の文化交流プログラムの一環としてこの展覧会に参加しています。パスカルは京丹後に来て、ちりめん織に興味を持ちました。それは長い時間をかけて一本一本の細い糸を丁寧に紡いでいく作業が、人と人の関わり合いを表し、そして町の中に歴史が流れていくのを思い起こさせたとパスカルは言います。そのような経験を経て、パスカルは自転車で街を隈なく見て回り、自分自身が見た京丹後の記憶を写真と映像に残しました。それを京丹後に訪れたことないトゥリーが受け取り、映像を完成させ、トゥリーの記憶に移し替えられます。パスカルが紡ぐ糸は、京丹後の街だけではなく遠くフランスの地に繋がり、そしてまたこの場所に結びつけられているのです。それは京丹後の街の記憶が一つの場所だけで形成されているのではなく、ほかの土地や国々に記憶と結びついて成りなっていることを思い起こさせます。実際に京丹後の町の歴史を作る機織の技術について考えても、それは近代化によって流入したイギリスの産業革命と結びついています。パスカルの作品は、一見関係ない外国の地と京丹後の地、そして異なる場所に暮らす人々の記憶を作品によって繋げているのです。