前谷 開

MAETANI Kai

前谷 開

1988年 愛媛県生まれ。
京都在住。2013年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科表現専攻修了。
自身の行為を変換し、確認するための方法として主に写真を使った作品制作を行う。
「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館 東京・2019)「六甲ミーツ・アート2016」(六甲山高山植物園 兵庫・2016)「ハイパートニック・エイジ」(京都芸術センター・2015)

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    この空間に展示されている写真と、白い絹織物で作られた雨合羽、植物の生い茂る中庭に展示されている写真は、全て前谷の作品です。京丹後の風景を撮影したこれらの写真は、どこか生々しい雰囲気を帯びており、撮影する前谷自身の「身体の気配」を感じさせます。前谷は、何日もの時間をかけ京丹後を自転車で走り、そして道無き山道や海岸、人の気配のない場所まで丁寧に歩き回って撮影を行いました。そのように「丁寧に被写体に迫ること」が前谷の写真に生々しさをもたらせています。自然が生み出す地形の形成過程は、人間の生きる時間の感覚を遥かに超えており、それを知覚することは非常に困難です。しかし、前谷は様々な場所を歩きながら「風景」の成り立ちについて思考し、普段意識することのない大きな動きを、写真によって想像させることを試みています。また展示されている合羽は、展示空間の外に広がる京丹後の土地へ飛び出していくような、前谷の行動性が表現されています。

    今回の制作では「丹後震災記念館」との出会いが一つのインスピレーションとなっています。同館は、1927年(昭和2年)3月7日に起こった北丹後地震を記念して、1929年に竣工しました。しかし、90年の時を超え、老朽化による耐震性の低下を理由に現在は閉鎖されています。前谷は10月25日(金)18時〜、震災記念館前の広場にてパフォーマンスを行いました。